手話の位置付けの歴史

今でこそ、言語として認識され、テレビで見ることも珍しくなくなっている手話であるが、日本では手話が禁止されていた時期があったらしい。最初にこの話を聞いた時は驚いた。しかも、昔の話ではない。ほんの少し前の話だ。どういうことなのだろう?

ざっくりと、ろう教育における手話の位置付けの歴史を概観してみる。 “手話の位置付けの歴史” の続きを読む

日本手話の環境について

日本手話の環境で赤ちゃんを育むことができれば、赤ちゃんは自然と手話によって言語発達をしていく。親や友達といった身近なところにろう者がいれば、自然な手話を覚えることができるのかもしれないが、両親が聴者である場合、このような環境はなかなかないのではないか。

では、両親が聴者の場合、どうすれば良いのか? “日本手話の環境について” の続きを読む

手話による言語発達

一般的に聞こえる赤ちゃんの場合、聴者の親と生活していれば、日本語のシャワーを浴びながら生活することになるのが通常なので、赤ちゃんは自然と「ママ」や「パパ」といった音声言語を覚え、話せるようになる。子育ての中で、我が子の言語発達を確認することは、親としてとても嬉しい瞬間だと思う。

このような、赤ちゃんが自然と言語を覚えていくプロセスは、日本語に限ったものではない。言語であれば、日本語のような音声言語に限られず、日本手話についても当てはまるようだ。 “手話による言語発達” の続きを読む

病院に頼りたいのはやまやまだが…

通常、難聴の赤ちゃんは、病院で生まれ、病院の新生児聴覚スクリーニングで難聴の疑いありとされ、病院で精密検査を受け、事実上の難聴の確定診断を受ける。その後、病院で様々な検査を受けて、補聴器を装用し、場合によっては人工内耳の話へと進んでいく。右も左もわからない不安な親にとって、(他の専門家等からの情報がない場合)病院の先生や病院にいる専門家の言葉は、ある意味唯一の拠り所でもある。そして、自然に身を任せていれば、病院でひとまず完結する。

でも、本当にこれでいいのだろうか? “病院に頼りたいのはやまやまだが…” の続きを読む

手話の通訳 

英語やフランス語の通訳をする専門家がいるのと同様、手話にも通訳をする専門家がいる。その公的資格(国家資格ではない)が手話通訳士だ。難関試験といわれている。毎年1000人程度の人が受験しており、受験者数は比較的安定しているが(少ないとも思うが)、合格率にかなりバラつきがある。この5年だけを見ても、合格率2.1%という強烈な年から、20%程度の年まで幅が広い。これはこれで理由が気になる。 “手話の通訳 ” の続きを読む

特別支援教育を受けている難聴者の数は?

特別支援教育とは、障害のある児童生徒1人1人のニーズに合わせて教育を行うというものだ。なので、特別支援教育を受けている難聴者といえば、一般的には、ろう学校もしくは通常の学校の特別支援教室に通っている生徒、または通常の学校の通級による指導を受けている生徒を指す。では、どれ位の数の難聴者が特別支援教育を受けているのだろうか? “特別支援教育を受けている難聴者の数は?” の続きを読む

感音性難聴と伝音性難聴

難聴体験では伝音性難聴の40dBの世界を体験したのだが、難聴には感音性難聴と伝音性難聴とがある(両者の混合もある)。最初の頃は、あまりしっかりと理解ができておらず、感音性難聴は「重い、治らない」、伝音性難聴は「感音性難聴ほど重くない、治るかも」位の単純なイメージしかなかった。このイメージ自体はこれで良いのだろうが、音が耳を通して伝達される仕組みを押さえると、より明確な違いが見えてくる。 “感音性難聴と伝音性難聴” の続きを読む