他にもある、いろんな聴力検査

精密検査によって事実上の確定診断を受けた後、また別の検査を受けることになる。それもたくさん…

僕の子供が生後3ヶ月位までに受けた検査は、新生児聴覚スクリーニングで受けた自動ABR検査と精密検査で受けたABR検査である。いずれも、赤ちゃんの脳波を医者が直接調べるものであり多覚的聴力検査という

自動ABR検査では、35dBの音に反応がないという判定を受け、ABR検査では4000Hz付近の周波数に対する反応が芳しくないという判定を受けた。しかし、いずれの検査によっても、会話を聞くのに必要な周波数(Hz)に対して、どの程度の聴力(dB)があるのか、という細かいところまではわからない。

そこで、次に同じく多覚的聴力検査の1つである、ASSR検査(また横文字…)を受けた。これも、特殊な音刺激によって脳内の電気反応を検査するもののようだが、ABR検査とは異なり、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzといった幅広い周波数につき、それぞれどの程度の聴力があるのか、という点を調べることができる。

障害者手帳を申請するときには、500Hz、1000Hz、2000Hzの聴力がどれくらいなのか、という点が重要になるので、この検査によって手帳を取得できるか、どの等級なのか、というイメージも見えてくる。実際に、障害者手帳の申請をする際は、このASSR検査の結果とABR検査の結果を添付して申請した。

その後も、継続的に聴力検査は行われるのだが、今度は自覚的聴力検査という別の検査方法がメインになってくる。自覚的聴力検査とは、本人の聞こえる、聞こえない、といったリアクションを検査するものだ。僕らが健康診断等で行っている、ヘッドホンを着けて、音が聞こえたらボタンを押す、という方法が一般的だと思うが、これは4、5歳以降にならないとできない検査方法のようで、乳幼児はできない。

そこで、乳幼児の行動反応を専門家が観察して検査するという方法になる。赤ちゃんのびっくりする、振り向くといった音に対する反応を検査する方法(聴性行動反応聴力検査(BOA検査))や、音とともにおもちゃ等に光をあてて、音がすると何か見えるという条件付けをしたのち、音だけを出して音源の方を向くか検査する方法(条件詮索反応聴力検査(COR検査))など様々な方法がある。乳幼児の発達に応じて、このような方法を組み合わせて聴力検査を行うことになる。

いずれにせよ、確定診断後は、継続的に聴力検査を行うことで、きめ細かく、裸耳の程度や、補聴器装用の効果を観察し、今後の療育・教育方針を決めていくことになる。