ろう学校ってどんな学校?

生後3ヶ月後に行った精密検査によって、子供が難聴であるという事実上の確定診断を聞いたとき、自然と「ろう学校」という言葉が頭に浮かんだ。「ろう学校」がどのような教育をする学校なのか、どこにあるのか等、ほとんど分からないことだらけだったが言葉だけはすぐに頭に浮かんだ。

ろう学校とは、聴覚に障害をもった子供達のための学校である。現在は、学校教育法の改正により、特別支援学校という法的な位置づけになっており、聴覚障害者のために必要な教育や自立活動支援等を行う学校である。

現在(2017年4月24日時点)、東京都内には公立4校、私立2校の併せて6校のろう学校がある。

大塚ろう学校
(都立)
豊島区※ 乳幼児、幼稚部、小学部
立川ろう学校
(都立)
立川市 乳幼児、幼稚部、小学部、中学部、高等部
葛飾ろう学校
(都立)
葛飾区 乳幼児、幼稚部、小学部、中学部、高等部
中央ろう学校
(都立)
杉並区 中学部、高等部
日本聾話学校
(私立)
町田市 乳幼児、幼稚部、小学部、中学部、高等部
明晴学園
(私立)
品川区 乳幼児、幼稚部、小学部、中学部

※大塚ろう学校には、永福分教室(杉並区)、城東分教室(江東区)、城南分教室(大田区)がある。

幼稚部に入る前の乳幼児を受け入れるクラスが用意されている学校も多く、そこでは保護者に対するアドバイス等も含めて様々なサポートをしている。また、親同士のつながりもできる。

なお、学校によっては、幼稚部のないところ、中学部がないところ、高等部がないところ等、設置している学部が異なるので注意が必要である。ろう学校の数は多くないので、自宅から通い易いか、という物理的制約も大きい。

また、これは特に重要だと思うが、ろう学校によって療育・教育の方針が異なる。ざっくり言えば、手話を重視するか、聴覚を重視するかということであるが、それらのウェイトの置き方が学校によって随分異なる。手話を使うろう学校においても、手話を重視する程度の差もあれば、そこで使う手話が日本手話か日本語対応手話かという点においても異なる。

このように、学校の選択(もちろん、ろう学校という選択だけではなく、通常の学校に通うという選択も含めて)は将来子供が使用するコミュニケーション方法等に大きな影響を与えるので、子供の聴力や親の療育・教育方針等に照らして、十分に情報を集めて検討する必要があると思う。