通常の学校に通っている子供は多いの?

聴覚に障害がある子供といえば、ろう学校、と考える人が多いように思うが、実際には、ろう学校よりも通常の学校に通っている子供の数の方が多いようだ。

障害のある子供が通常の学校で教育を受けることをインテグレーションという(最近は、障害の有無というよりも、一人一人の教育ニーズに合った教育を受けるという意味を持つ、インクルージョンという用語が使われることも多い)。

通常の学校に通う場合は、いくつか種類がある。①通常の学級、②通級による指導、及び③特別支援学級※の3つだ。
※いわゆるろう学校である特別支援学校とは異なる。

①は文字通り、通常の学級なので、一般的には特別のサポートのない状態で、聴者と同じ授業を受ける。耳から情報を得ることができないとわからない場面が多いと思うので、子供の聴力にもよるが、重い聴覚障害のある子供の場合は授業についていくのに相当な努力が必要であると聞く。また、親による勉強のサポートも非常に重要であるようだ。

②は、生徒が通常の学級に在籍し、主として各教科等の指導を通常の学級で受けながら、障害に応じた特別の指導を特別の場所で受けるものだ。普段は通常の学級で授業を受けるので①と同様だが、週に1時間から8時間程度、特別の支援が受けられる教室に通う。ここでは、自立活動や教科指導のサポートが行われる。この教室は子供が普段通っている学校にはないケースが多いので、別の場所の教室まで通うことになる。

③は、通常の学校に設けられている、障害のある生徒を対象とする固有の学級だ。通常の学校の中に設けられた特別支援学級なので、障害のある子供に合った指導を受けることができそうだ。

②通級による指導、及び③特別支援学級の数が少ないこともあるのか、インテグレーションをしている子供の大半は①通常の学級に通っているようだ。

親としては、子供が自分の意思で選択するようになるまでは、上記いずれかの通常の学校に通うか、ろう学校に通うか、様々な要素を総合的に考慮して選択することになる。