ろう学校の先生と教員免許

大学時代、教員免許の取得を目指していた友人達は、教職過程を履修して、必要な単位を真面目に取ったり、教育実習に行ったりと、忙しく頑張っていた。当時の僕は、そんな彼らを横目で見ながら、ふわふわとした大学生活を送っていた。ところが、それからうん十年近く経ち、先天性難聴児の親となり、先天性難聴児への教育の重要性や難しさが少しずつわかってくるにつれ、今更ながら、教育についてもう少し勉強しておけば良かった…と感じてしまう。 “ろう学校の先生と教員免許” の続きを読む

手話の位置付けの歴史

今でこそ、言語として認識され、テレビで見ることも珍しくなくなっている手話であるが、日本では手話が禁止されていた時期があったらしい。最初にこの話を聞いた時は驚いた。しかも、昔の話ではない。ほんの少し前の話だ。どういうことなのだろう?

ざっくりと、ろう教育における手話の位置付けの歴史を概観してみる。 “手話の位置付けの歴史” の続きを読む

日本手話の環境について

日本手話の環境で赤ちゃんを育むことができれば、赤ちゃんは自然と手話によって言語発達をしていく。親や友達といった身近なところにろう者がいれば、自然な手話を覚えることができるのかもしれないが、両親が聴者である場合、このような環境はなかなかないのではないか。

では、両親が聴者の場合、どうすれば良いのか? “日本手話の環境について” の続きを読む

手話による言語発達

一般的に聞こえる赤ちゃんの場合、聴者の親と生活していれば、日本語のシャワーを浴びながら生活することになるのが通常なので、赤ちゃんは自然と「ママ」や「パパ」といった音声言語を覚え、話せるようになる。子育ての中で、我が子の言語発達を確認することは、親としてとても嬉しい瞬間だと思う。

このような、赤ちゃんが自然と言語を覚えていくプロセスは、日本語に限ったものではない。言語であれば、日本語のような音声言語に限られず、日本手話についても当てはまるようだ。 “手話による言語発達” の続きを読む

病院に頼りたいのはやまやまだが…

通常、難聴の赤ちゃんは、病院で生まれ、病院の新生児聴覚スクリーニングで難聴の疑いありとされ、病院で精密検査を受け、事実上の難聴の確定診断を受ける。その後、病院で様々な検査を受けて、補聴器を装用し、場合によっては人工内耳の話へと進んでいく。右も左もわからない不安な親にとって、(他の専門家等からの情報がない場合)病院の先生や病院にいる専門家の言葉は、ある意味唯一の拠り所でもある。そして、自然に身を任せていれば、病院でひとまず完結する。

でも、本当にこれでいいのだろうか? “病院に頼りたいのはやまやまだが…” の続きを読む

特別支援教育を受けている難聴者の数は?

特別支援教育とは、障害のある児童生徒1人1人のニーズに合わせて教育を行うというものだ。なので、特別支援教育を受けている難聴者といえば、一般的には、ろう学校もしくは通常の学校の特別支援教室に通っている生徒、または通常の学校の通級による指導を受けている生徒を指す。では、どれ位の数の難聴者が特別支援教育を受けているのだろうか? “特別支援教育を受けている難聴者の数は?” の続きを読む

聴力と聴能の違い

生まれたばかりの子供が難聴であることを知ったのと同時に、感音性難聴であり現在の医学では治らないという衝撃的な事実も知った。ダブルパンチだ。乳幼児の場合は、正確な聴力を測定することが難しいので、成長に伴い多少聴力の数字が良くなることはあるらしい。良くなるというよりは、より正確な聴力がわかる、といった方が正確だろうか。いずれにせよ、裸耳の聴力は良くならないようだ。 “聴力と聴能の違い” の続きを読む