人工内耳について考えてみる…

人工内耳については、常に、選択肢の1つとして頭にちらつきつつも、”手術”という2文字が心理的な重しとなって、なかなかどうすべきかわからない、という状況が結構長く続いていた。

どうも、自分で決める事ができない子供に代わって、親が幼児の頭部手術(もう少し詳しく言うと、耳の後ろ側を切開する手術)をして人工内耳を埋め込む決断をする、ということに抵抗があった。

じゃあ、子供が人工内耳をしたい、と言ったときに実行すれば良いのではないか? とも思える。

でも、それなりに人生経験を積んでいる親でさえなかなか決断ができないような事柄を、小さい子供に決断させるというのもなかなか酷なもので…子供の自己決定に委ねるのは、親の無責任なのではないか、という気持ちもある。

親が決めるのにも抵抗があり、子供に決めてもらうのにも抵抗がある。どうすりゃいいんだ…

そんな時、決断が早い方が、人工内耳の高い効果が見込める、という情報を得た。

いろいろと調べていくなかで、就学前までの子供の脳は爆発的に言語を吸収していく時期であり、このタイミングが言語発達にはベストである。このタイミングに人工内耳を装用すれば、より高い効果が期待できる、ということを知った。

悠長にはしていられないのだ。高い効果のためには、親が早期に決断するしかなさそうだ。

子供にとって極めて重大な決断を下すのだから、後悔がないように、人工内耳以外の選択肢についても、できる限り理解することが必要なのではないか、と思っている。

(言語をまだ読めない)幼児の言語発達という意味において、人工内耳以外の選択肢としては、補聴器日本手話がある。この2つの選択肢を考えた場合、我が子はどこまでできるようになるのだろうか。どういう教育方法になるのだろうか?どこに通えばいいのか?保育園は?小学校は?中学校は?高校は?大学は?就職は?日常生活は?スポーツは?音楽は?子供の状態とどれだけ親和性が高いのか?母語はどうなる?日本語はどうなる?親としては何をどこまでできる? 等々…

調べれば調べるほど疑問が湧いて出てくるが、出来る限り、漏らさずに、逃げずに調べる必要があると思っている。専門家や難聴の子供の親の意見や、ロールモデルになりそうな人達の話を参考にしながら。

とはいえ、立場が違えば意見にバイアスがかかるのも仕方のないことで、中立的かつまとまった情報を得ることは極めて難しい。

ここは特に強調したい! 本当に、本当に難しい…

なかなかの試練だ…