補聴器について(2)

補聴器は、メーカーや種類によって特徴が異なり、子供に合う合わないがあるようだ。最初のうちは、購入ではなく、レンタル(無料)でいくつかのメーカーの補聴器を試しながら使っていた。イヤーモールド自体はオーダーメイドなので、ここでいう補聴器は電気製品の部分、耳かけ型の場合で言うと、耳の後ろにかかっている部分である。

しかし、ずーっとレンタルというわけには当然いかず、いつの日か購入する日がやってくる。しかも、この補聴器、小さいながらも先端技術が組み込まれた電気製品なのでお値段も高い…厚生労働省が基準価格なるものを出しているが、これによると、高度難聴用耳かけ型補聴器は43,900円、重度難聴用耳かけ型補聴器は67,300円とある。これ、片耳の値段なので、両耳だとこの倍になる。重度難聴用耳かけ型補聴器両耳だと13万オーバー…しびれる値段だ。

が、障害者手帳を持っている人は(聴力が両耳70dB以上の場合等※)、障害者総合支援法(正式には「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)という法律に基づく補助を受けることができるので、自己負担はかなり減額される。

補聴器は上記法律でいうところの「補装具」に該当し、利用者の自己負担は費用の1割に限定されている。また、ひと月の自己負担額の上限もついているので、費用の1割が上限を超える場合の自己負担額は当該上限額に限定される。この自己負担額の上限は世帯の所得によって以下のように分かれている。

生活保護受給世帯 負担額なし
区市町村民税非課税世帯 負担額なし
区市町村民税課税世帯 37,200円がひと月の上限

ただし、世帯員のいずれかの区市町村民税所得割額が46万円以上の場合は補助の対象から外れる。

区市町村民税課税世帯の場合は少しややこしいが、つまるところ、ひと月の自己負担額はかかった費用の1割だけであり、どんなに多くても37,200円を超えない、ということになる。両耳で13万だとすると、その1割の13,000円が自己負担となる。

無事補聴器を購入すると、今度は、無くせない! というプレッシャーを負うことになる。補聴器は、厚生労働省によって、その耐用年数が5年間とされているので、5年以内に無くした場合は、利用者側に責任がない場合を除き、基本的には全額自己負担になる…(実際は、もっと柔軟な運用のようで、形式的に5年経っていないから即再支給ダメ、というものでもないようだが)

が、子供はそんな事情など、どこ吹く風。気分次第で豪快に補聴器を外し、親の苦労も考えずにポイッと捨てる。親が見ている前でポイ捨てされるのであればまだましなのかもしれないが、自転車に乗っている時など、外に向かってポイ捨てされた場合などは絶望的な状況になる。我が家も自転車から補聴器をポイ捨てされたことがあり、妻が自転車で来た道を戻りながら探し、奇跡的に自宅から数キロ離れた川辺の土の上で見つけたことがあった。

ここまでくると、もはや宝探しだ…

※障害者手帳を持っていない場合は、上記法律に基づく補助を受けることはできないが、自治体によっては「中等度難聴児発達支援事業」によって費用の一部を助成しているようだ。