人工内耳について(2)

少し前の話になるが、人工内耳の説明を聞きに行った。人工内耳装用を決めた、ということではなく、可能性がゼロではないから事前に説明を聞きに行った、という感じだ。

今は、子供に対して、できる限り手話で言語を覚えて欲しい、手話で会話ができるようになって欲しい、と思っている。だから、そのために親ができることは精一杯やっている(つもり…)。子供が手話を学べる場所を探して、通ったり。親自身が子供と手話で会話ができるように、手話を使う人達と会話ができるように手話教室に通ったり、手話の勉強をしたりと。

少なくとも今は、手話をメインに据えて考えている。聴者の親なりに、できることは全てやりたいと思っている。

手話をメインに据えてはいるが、今後どのようになるのかは未確定であり、とにかく今できることは全てやりたいので、補聴器は継続的につけている。残存聴力の活用や、聴能を鍛える、といった観点から、補聴器の装用も今できることの1つだと考えている。最近は、あれほど嫌がっていた補聴器を、日中の大半つけているし、「補聴器をつけて!」と訴える時もしばしばある(「補聴器」という手話単語を使ってアピールしてくる)。

このように、補聴器装用がずいぶんと定着してきているのだが、毎月受けている聴力検査の結果は芳しくない…そうすると、人工内耳という選択肢の輪郭が少しずつ濃くなってくる。

そんなわけで、人工内耳の説明を聞きに行った。初めてだ。

基本的な説明だったので、初耳! というものはあまりなかったが、人工内耳の実物を見ながら説明を聞けたのでイメージが湧いて良かった。

日本で承認されている人工内耳のメーカーは、コクレア社(オーストラリア)、メドエル社(オーストリア)、アドバンスト・バイオニクス社(アメリカ)の3社で、それぞれ特徴はあるが、補聴器の基本的な性能はそれほど変わらない、とのこと(実際に人工内耳装用、となればメーカー毎の特徴を突っ込んで調べるだろうが、この時点では、あまり突っ込んで聞かなかった。)。個人にメーカーの選択権があるというよりは、手術を受ける病院が扱っているメーカーの人工内耳を装用することになるので、どちらかというと病院の選択によってメーカーがある程度決まってくるようだ(もちろん、個人で選択できる病院もあるようだ)。

実際に子供が人工内耳を装用しているお母さん達の話を聞くことができたが、人工内耳のケアやそれにかかるコストのイメージはスマホみたい、とのことだ。スマホのように電池をたくさん食うので、毎日充電器で充電しないといけないらしい。拍子抜けするほど、あっけらかんと人工内耳をスマホに例えていた。確かに、とてもわかりやすい…

人工内耳の効果については、いろんな声が聞こえてくる。ものすごく効果があるという声もあれば、全然効果がないという声も聞こえてくる。両極端ではあるが、どれも実体験に基づくものであり、事実なのだと思う。

効果の有無を分けるポイントは何なのだろう? そこが重要だ。