人工内耳とスマホは似ている? 

人工内耳の実物を扱ったことがなく、抽象的なイメージしかなかったときには想像もできなかったが、今では人工内耳という存在が我が家の日常に溶け込んでいる。

人工内耳というものの具体的なイメージがまだなかった頃、とある人工内耳装用児の母親と話していると、「人工内耳の充電はスマホの充電に近いですよ」という衝撃の発言を聞いた。しかも、「そうそう、そんな感じ!」という他の人工内耳装用児の母親の合いの手まで。

その言葉を聞いたときは、「えっ!?マジか。なんてラフな例え…」と思った。人工内耳というものを、ある種遠い世界のモノとして、身構えていた当時の僕にとって、あまりにもざっくばらんな表現に衝撃を受けた。でも、今ならわかる。確かにスマホに似てるかも

人工内耳を購入したとき、充電池と使い捨て電池の2つが一緒に付いてきた。

使い捨て電池の方は補聴器と似た感じのボタン型の電池だ。補聴器と似た感じ…といっても、補聴器を使ったことがないとイメージしづらいかもしれない…通常使う棒状?円柱状の電池とは異なり、小さいコイン型の電池である。いろんな種類があるが、ボタン型の電池自体はスーパーでも普通に売っている。

充電池は文字通り充電をする電池で、だいたい1日(昼間の活動時間)人工内耳をつけると、その夜は充電が必要になる。充電が必要なので、もちろん、充電器も付いてくる。というか必須だ。1日で充電が必要にあるあたりがスマホに似ている。また、充電器もコンセントにつないで充電池を差し込むので、スマホに似ている。最初はさすがに慣れない先端機器に戸惑いながら扱っていたが、人工内耳の充電をする作業が日常の1コマに溶け込んでいる。この日常感もスマホに似ている。

先日、家族で旅行に行った際、持っていく荷物の一部が机の上に並んでいたが、当たり前のように、スマホの充電器の横に、人工内耳の充電器があった。少なくとも、我が家の旅行には、スマホは必須でその充電器も必須、人工内耳も必須でその充電器も必須、という当たり前の存在になっている。

充電だけではない。ここは見落とされがちだが、人工内耳はスマホと同様、先端技術の粋を集めたものだ。何が先端か?という難しい内容については、僕自身の知識の限界により割愛するが、とにかく先端技術の塊なのである。

結論、人工内耳はスマホに似ている。

少しは人工内耳が身近に感じるでしょうか…